「強みを活かす」—ある話がとても腑に落ちた件 〜ポジティブサイコロジーコーチ認定講座2日目〜

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昨日のブログにも書きましたが、掲題の講座(全3日)に通っています。

自分自身が追求したいと思っていたテーマにじっくり向き合えています。

コンサルティング、トレーニング、著書やメディアでの発信の中で、私は常々「強みを活かすことの大切さ」を強調しています。例えば、私の著書の中でも、第1章を「セルフ・マネジメント」(自分自身という資源を活かす、という意味)にあてています。自分がマネジメントを学んだピーター・ドラッカーの教えを反映したものです。彼の経営学の目的は「人間の強みを、生産的に事業に役立てること」にありました。

今回、ロバート・ビスワス=ディーナー博士の講義を受講しながら、

ロバート2

実際に「人の強み」を「経営(マネジメント)」にどのように具体的に役立てることができるか、

を探求しています。そして、この講座を通じて、

「強みを活かすことが、なぜそこまで重要か」
「強みを活かす為には、具体的にどのような関わりや支援が必要なのか」

が非常にクリアに理解できはじめています。

よく、企業において、「強みを伸ばすのか、弱みを是正するか、どちらが重要か」という議論があります。
それについて、ロバート(ディーナー博士)の説明は極めて明快で分かりやすかったので、要点をご紹介します。

(↓ここから)
例えば小さい帆船を操縦していたとする。船底に小さい傷があり、そこが徐々に穴になり、水が入り始めたとすれば、それは当然「手当」「補修」をしなければならない。しかし、それを補修したとしても、船という資源全体は、トラブルを回避し、元の形に戻るだけである。それ以上の結果が生まれるわけではない。

一方、帆船そのもののパフォーマンスを決めるのは、「帆」である。その形、大きさ、向きなどである。その帆が、風という強いフォロー(運も含む)も活かし、パフォーマンスが高まっていく。

人の弱みとは、まさに船底にできた傷であり、強みとは帆である。
弱みは、それによって問題やトラブルが起きないように補修し、あるいはそこを補完する強みをもった人と組むことなどで、傷を塞ぐ手当をすることが大切。一方で、成果を上げたいと思えば、まさに強み(帆)の方を発掘して強化しなければならない。
(ここまで)

弱みは、どれだけ磨いても強みにはなりえない。
弱みを強みに変えるよりも、強みを「さらに強いもの」に発展させる事の方が可能性が高く、成果も上がります。

この講義の課題として、私も自分の強みを「ツール」を使って分析しました。
このツールの面白いところは、単に強みと弱みを計測するだけでなく、

「強みなのだけれど、それを発揮しても自分がワクワクしないもの」
「強みなのだけれど、普段なかなか発揮できていないもの」

なども、分かりやすく示してくれる点。新しい発見がいろいろありました。

けれど、あくまでツールはツールです。
ロバートも言うように、「ツールが我々を支配するのではなく、我々がツールを使いこなす」。本当の強みは、ツールを利用しながら、自身で深く内省し、人と真剣な対話をする中で見えてくるものですからね。

人の強みが発揮されることで、企業、NPO、公的機関、いずれの組織であってもパフォーマンスを上げることができると確信しています。そして強みを発揮することで、社員にとっても働きがいとやりがいのある職場環境になるはずです。

最後に、自分の経営学の師でもある、ピーター・ドラッカーのこの言葉を思い出したので、書いておきます。

「人は弱い。悲しいほどに弱い。問題を起こす。手続きや雑事を必要とする。しかし人は、それらのことのゆえに雇われるのではない。人を雇うのは強みのゆえであり、能力のゆえである。何度も言うように、組織の機能は、人の強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和することである。」

(「マネジメント〈上〉 課題、責任、実践」より)

今改めて、この言葉の意味と「実践方法」を考える機会を得られていることに感謝して。
23日の最終日も、頑張ります。

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