「ドラッカー」は処方箋でも魔法の杖でもない、ということ

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先週、2日間で、某大企業のマネージャー職の皆さんに、マネジメント研修を開催させて頂いた。

テキストは、ドラッカーの「マネジメント」の内容を網羅的に理解できるように編集した。大変意欲的な皆さんだったので救われたが、やはりドラッカーの思いや考え方を的確に伝え、日々の実務のレベルに落とし込んで考えて頂くのは容易ではない。

ドラッカーの「マネジメント」の中に次のような言葉がある。

「実は、マネジメントの魔力が突然消えてしまったのだ。最大の原因は、マネジメントが万能薬ではなく、挑戦であり仕事であること、いかに洗練されようとも、魔法の杖ではないことがわかったからだった。」 

もし、ドラッカーが今日健在であれば、このくだりの「マネジメント」をそのまま「ドラッカー」に置き換えて語りそうな気がする。まさに、「ドラッカー」のブームは、そこから何か大発見や万能薬を求める人たちからは飽きられ、早々に下火になるだろう。

ドラッカーのマネジメント理論は答えを教えるのではなく、考え方、問題への洞察のしかたを教えてくれるものだ。

■事業の目的や成果につき、懸命に考え抜くこと
■その成果、目的に従って組織行動や、意思決定を行うこと
■組織として人の強みを最大限に発揮させ、弱みを意味のないものにすること
■問題や弱みよりも、成果、貢献、機会という生産的な方向に組織の焦点を定めさせること
といった、極めて明快であるが、なかなか実行が難しい(特に大企業)原理原則を提示してくれる。難しいからこそ、マネジメントとは挑戦と言われるのだろう。

クライアント企業さんにもよく申し上げるが、マネジメントを学んで、突然会社が大変革を遂げる事はないかもしれない。しかし、個々人が数パーセントでもその原理原則を理解し、わずかでも実行するようにすれば、全体としては大きく組織が変わって行くとは間違いない。

 

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