大地震という困難が教える大切なこと

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未曾有の大地震。
被災された方、亡くなった方のことを思うと、言葉がない。
どこまで言っても月並みだが、一人でも多くの貴重な命が救われる事を祈る。
専門家、国家リーダー、現場のリーダーが建設的な協力をし、賢明な判断を下し、国民個々人ができうる最大の貢献をしていく以外に方法はない。
私自身、地震時に仕事で六本木におり、徒歩で帰路についた時から、ずっと考えていることがある。
それは、改めて、この世にある仕事には全て崇高で貴い使命があるということ。
その使命に向かって、全員が創意工夫をしながら最大の貢献をしていかなければいけないということ。
私の専門領域である「マネジメント」は、それを実現する仕組みでなければいけない。
電車・交通、エネルギー、建築、医療、人命救助、金融、通信・・・先人が作り上げてきた日本の優れたシステムの貴重さを思う。
平時には目立たず、時には「保守的で退屈」と思われることさえある仕事に、何よりも貴い「人命」を救う大きな力がある。
それを改めて感じざるをえない。
もちろん、平和な時代に慣れすぎていて、今回も段取りが問題になっていることも多い。しかしそれでも、日本と日本人の持つ精神と能力の素晴らしさを感じる情報やシーンも数多くある。
政局動向に翻弄され、「言葉狩り」と言われる揚げ足とりに終止していた政治家も、この状況では自ずと建設的な議論をし、協力し、迅速に意思決定と行動をしなければいけない。与党も野党もなく、最大限の「成果」に向かった貢献に焦点をあわせなければならない。このような大危機で初めてそのような姿勢になること自体問題だが、今この危機においてこそ、国家のリーダーとして何が大事かという原点に立ち返ってほしい。
現政府の危機管理能力を批判する声ももちろん多い(ツイッター等でそのような声も多い)。しかし、本来最も大切な「危機管理」「生命尊重」の準備ができないほど枝葉末節な事の対処に負われる国政を作ってしまった原因は我々国民やマスコミにもある。今後、本来の政府が果たすべき役割に極力集中できる体制はリーダー層だけでなくフォロワーである我々の力がなければ達成できない。
これと全く同じ事が企業にもいえる。現在、通信会社や電力会社が危機と格闘しておられるが、普段のマネジメントは、本来の事業の使命に集中できるものになっていたか。リーダー層も、社員も、改めて考える必要があると思う。そして、もちろん私のようなコンサルタントも姿勢を猛省すべきかもしれない。
最後に、電力会社の社員の方や自衛隊をはじめ、現場で命がけで任務にあたっている方を心から応援したい。
平時には、ハイテク技術の進化、情報の氾濫に埋もれてその有難さが認識しにくい「ベテラン」の方達の危機管理の知恵、リーダーシップ、意思決定に負うところも大きいと思う。若い人間にはない経験や、さらにその先人達から受け継いだ知恵が、この未曾有の大危機に発揮される事を確信している。
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