「感謝」がなければ「助け合い」の風土も根付かない

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仕事柄、多くの企業の現場リーダーとお話しすることが多いです。
私の専門分野の一つでもある「企業風土」についてもよく意見交換します。

企業風土とは、「職場の雰囲気」「空気」といった曖昧なもののとらえられがちですが、わたしの中の定義はより明快です。企業の風土とは、

「暗黙のうちに組織内で共有された思考、行動様式」

です。

例えば、ある事象が発生した場合に、Aという会社は極端にネガティブにとらえ、全員が自己防衛に入る。一方で、同じ事象に対してB社では積極的に問題解決していこう、という動きが生まれやすいとしましょう。これは、目の前の事象が同じだとしても、暗黙のうちに共有されている思考・行動パターンが違うことによって対処に差が出る事を意味しています。そして、その暗黙の思考・行動パターンを経営学の中では、「組織風土」と言います。

この組織風土については、多くの人が

「社内がどこかギスギスしている」
「率直な対話、会話が少ない」
「助け合おう、という関係性がない」

といったことに悩まれているようです。今日、お話しした顧客企業の場合も、同様でした。

「助け合う」関係性がなく、どこか個人/独立主義で、あまり関わり合いがない、という組織では何が根っこの問題なのでしょうか。もちろん

・現業が忙しすぎて余裕がない
・人が足りない

などいろいろな理由があります。しかしだからといって業務量を減らしたり、人を増やしたりすれば「助け合い」の風土が根付くかと言えば、答えはNoでしょう。

では、メンバーが互いに助け合う、そのような会社の風土を創る為に必要なこととは何でしょうか。それは、

「感謝する」という基本的な行動や姿勢を組織の中でもっともっと増やして行くこと

だと私は思います。まわりの誰かを支える行動をした社員をしっかり認め、ほめる。本人も、会社もしっかり「感謝」の気持ちを伝える。そのような基本的な土壌ができた上で、はじめて社員同士が助け合い、支え合うという組織が生まれるのだと思います。

おそらく、助け合いが少なく、個人主義的になってしまっている職場では、「ありがとう」「たすかった」といった感謝の言葉の投げかけ合いが皆無だと思います。まずは、まわりの誰かへの感謝という基本的な姿勢を取り戻すことから始める。そうすることで、組織が見違えるように強くなることは間違いないはずです。

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