「うちの会社のヴィジョン(ビジョン)が明確ではない。方向性が見えない。」
こういう言葉をよく聞きます。
特に、企業のマネジメント研修で話し合っていただくと、この言葉はほぼ100%、必ず出てきます。
おそらく、「会社として一体の方向に向きたい」「皆で共通のゴールを持ちたい」という想いなのでしょう。その気持ちは、すごくよく分かります。
けれど、少なからず「違和感」を感じる自分もいます。
そもそも「仕事のビジョン」はいつから、「会社が作る」ものになったのでしょうか。
まず、自分自身の中に強い「ビジョン」がないと、外からどんな奇麗なビジョンが与えられても、納得できないのではないでしょうか。
個々人の人生にとっては、会社は貴重な舞台を提供してくれるだけであり、自分自身が主人公だととらえればもっと「精神的に自由」になる気がするのです。
自分が関わる人達の中で、自分自身が「ビジョン」を示して、何かしら生みだして行くことが仕事やマネジメントの醍醐味でもあります。
自分自身がビジョンを持って行動し、その結果、会社の方向性や意思決定がおかしいと思えば、それは直談判して挑めばよい。
あるいは、現場の人々のビジョンある行動と実績が全社という「戦艦」を動かすこともあります。
前の投稿で書いた「知識労働者」の時代とも関係があります。
今は、知識労働者が自ら知識・知恵という生産手段を有する時代。
なので、「ビジョン」も上から、下に、「作り手」が変わって来ています。
もちろん、会社全体にも方向性や目指す理想の言葉が必要です。
上位職層の方も、しっかりとした「全体のビジョン」を示し、伝えていくことも大切です。
けれど、何より大事なのは、現場でビジネスの成否を左右する「知識労働者」の皆さんが、「この職場で、仕事で、何を成し遂げるんだ」という強い「ビジョン」が必要であり、その力が全体を動かすことを改めて知ってもらいたいです。
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