最近、感じることがあります。
人と人の関係の悪化は、多くの場合「頭の中で」つくられるイメージが影響しているのではないか、ということです。
会社での人間関係、子供の学校の保護者同士の人間関係、あるいは仕事のパートナーとの人間関係・・・我々は様々な「人間関係」の中に生きています。
その中で、ちょっとした誤解や、コミュニケーションの掛け違いや、疑念などから、とんでもない関係の悪化につながっていくケースがあります。
この人間関係の悪化、たいていの場合は、明確な「事実」よりも、「思い込み」によってエスカレートしていく気がします。
もちろん、きっかけは、「何かを言った」「何かを見た」という「事実(らしきもの)」からぎくしゃくしはじめるのかもしれません。しかし、ぎくしゃくした関係の悪化がさらにエスカレートしていくのは、英語で言う「Self talk」、すなわち、自分の頭の中での、自分との間の「会話」であるような気がします。
「きっと、あの発言の裏には、こういう意図/企みがあるに違いない」
「きっと、あのとき、こう考えていたはずだ」
「今、自分の知らないところで、こういう行動をしているに違いない」
などなど。
関係が悪化しはじめて、「コミュニケーション」をとらないことが、ますます、「脳の中で関係悪化を促進する」要因になっている気がするのです。
職場でも、知人でも、親族同士でも、学校関係でも、そのような経験はないでしょうか。イメージがイメージを呼び、ますます関係が悪化していって取り返しがつかなくなる、という状態です。
では、どうすればこの問題を解決できるでしょうか。
当たり前のことのようですが、直接会って「会話、対話」をする場が最も効果が高い気がします。
結論なんて出なくてよい。あるいは、誤解が完全には晴れなくてもよい。
ただ、同じ場に、相手と自分がいて、言葉を交わし、誠実に会話をしようとすること。
会って話をするだけで、これまで持っていた「負」のイメージが大きく変わり、関係が修復される、ということがよくありませんか。
どんなにITが進歩しても、人間同士が目と目をあわせて話す、その肌感覚にはかなわない、ということだと思います。
だから、私は、社内の風土が硬直していたり、人間関係の悪化が気になるときは、まよわず「対話の場」や「オフサイトミーティング」をすすめ、自分で進行役をやる事も多いです。
「対話をしても、解決につながるとは限らないのでは?」
という人も多い。けれど、結論なんて出なくても良いのです。ただ、その場で当事者同士が同じ空気を吸って、話をするということで、頭の中の「ネガティブセルフトーク」を止める事ができます。
頭の中でいろいろなネガティブイメージをつくる時間があれば、その何分の一かでも、「相手との対話」の時間を多く持つ勇気が必要なのだと思います。
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