「カイシャイン」が「リーダー」になるとき

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ある企業で支援させて頂いた10ヶ月のリーダーシッププログラムが7月30日に修了した。

「50年後の自社の事業の礎を築くリーダーを育成する」ことが狙いのプログラム。30歳代、25名の将来を嘱望されるリーダー候補生が5倍の競争率を勝ち抜き選ばれて参加。いずれも現業ではトップクラスの業績をあげている精鋭の皆さん。取締役陣や、社長も頻繁に足を運ばれ、最終的には経営陣に対して「自社の成長戦略についての提言」を各グループでまとめるというプログラム。

通常の型通りの「研修プログラム」とは随分趣旨と中身が異なる。

「現場で『本当に』変革を起こせるリーダーの育成」に徹底して拘った内容。

自己の内省、自社の客観的な分析、社外の識者からの情報を統合し、大局的な視座を培い、仲間との対話の「場」を通じてさらに考えを昇華させていく。

思考スキル面も、単なるロジカルシンキングだけではなく「システム思考」「メンタルモデル」といった複雑な事象から何らかのパターンを読み取っていくような考え方を求められる。

西洋的なフレームワークや思考方法も使う一方で、東洋思想的なものの見方と自己鍛錬もプログラムに盛り込まれている。

非常に盛り沢山。しかし、真のリーダーを育成するために、自己の徹底した内省、大局的な思考、外部情報の吸収と解釈が不可欠。文字通り、未来を築くリーダーを生む為のプログラム。

集合するのは月2回であるが、オンラインでのスキル学習、海外視察旅行もあり、また通常業務の合間の時間にも別企業を訪問したり、メンバーで打ち合せをしたり、他部署の責任者や役員と意見交換をしたり、上で活発に意見交換したりと、まさに「自社の成長のために心も頭も身体も使いきる」10ヶ月だったと思う。通常の業務でも第一線で活躍する皆さんとしては、本当に大変だったろう。

そのプログラムが、無事に7月末に修了。

最終的な提言をまとめるにあたって、我々コンサルタントチームは「皆さんの情熱、価値観、哲学というものを何よりも大事にしてほしい」とお伝えした。リーダー育成のために何より重視したのは、「一人称」で語ってもらう事。「自分はどう考えるか」「自分は何を提言するか」。分析・批評家としてではなく、経営陣に対し、当事者として思いを伝える。その為に、必死に現場の情報を集め、分析し、考え抜くことを皆さんに求めた。

もちろん、経営陣に意見が受け入れられないこともある。しかしそれでも納得できないことがあれば決してひるまないこと。伝えきれていないのであれば、懸命に伝えること。当たり前のようなことだ。しかし、社員が経営陣に堂々と意見を述べるというのは勇気がいる。その壁こそ、「リーダー」とそうでない人の間にあるもの。変革を担う当事者として、まず一歩目の壁を乗り切って頂きたかった。

7月29、30日。最終プレゼンテーションの場。

皆さん、疲れの極限だっただろう。でも、懸命に思いを伝えた。中には、語りながら(或いは語る前に)涙を流す人もいた。この会社が好きでたまらない、なんとか変えてさらに良くしたい、今迄なかなか上手く伝えられなかった、精一杯伝えきった・・・いろいろな思いが交差しただろう。

プレゼンテーションはわずか20分。しかし、僕は最後の挨拶でこのように話をさせて頂いた。

「たかが20分、されど20分、ですね」

その20分、数枚のプレゼンテーションに辿り着く迄に、数えきれない挫折や仲間同士のぶつかりあいがあった。もちろん、愛する家族との時間も犠牲にしただろう。それでも25名、互いに助け合い、最後はまとまって考えを堂々と述べた。「25名共通の思い」の直訴もあり、また個別には新規事業のプラン、営業方針の革新、組織風土の変革・・テーマは様々。しかしどれも、「この会社をこうして良くしたい」というアイディアと情熱に溢れていた。

もちろん、その場では十分に伝えきれなかったチームもある。結果だけが重要ではない。それはプレゼンテーションを聞かれた経営陣にも伝わっていたと思う。「これまでの、ありきたりの奇麗な提案とは何かが違う」と。

まさに「カイシャイン」が「リーダー」に生まれ変わる瞬間だった気がする。そこには、僕にとっても大きな気づきと学びがあった。

僕は、最終回の前回に、「リーダーのプレゼンテーションで、不可欠なことは『心を動かす』ことです」と伝えた。

そして今、皆さんに言いたい。

「間違いなく、心を動かしましたよ」と。
皆さんの思い、会社への愛情、変革への熱い思いが、文字情報を超えて、聞く人に何かを伝えていた。

まさに涙の修了式。恐縮ながら、僕自身も皆さんから御礼の言葉を沢山いただいた。でも違う。御礼を言いたいのは僕の方です。

「これを真剣に取り組むと大変です」と警告(?)したテーマに対し、本当に「大変な状況までやりきって」有り難う。
最後まで諦めずに議論し、踏ん張ってくれて有り難う。
最後まで仲間を大事にしてくれて有り難う。

これから実践のフェーズです。
皆さんが5年後、10年後に会社の中枢でリーダーとして実力を発揮している姿が目に浮かびます。この10ヶ月の「リーダーシップ」体験と仲間が、必ず皆さんの力になります。

それまで、またちょくちょく情報交換させてください。そして、つっこませていただきます。

「皆さんの情熱はそこにありますか」

「本当に達成したい目的は何ですか」

「顧客の価値と戦略ストーリーは見えていますか」と。(笑)

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