経営革新とは、失った「共通の目的」を取り戻すこと

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僕は、経営革新や組織変革の本質とは、「失った共通の目的」を取り戻して行くプロセスであると定義している。
ドラッカースクールを卒業した頃から、明確にそのように考えている。
ベンチャーの現場でしゃにむに働いた時代も、コンサルティングや新規事業の立ち上げでお客さんと一緒に仕事をしている現在も、その思いは変わっていない。

問題は、このシンプルな本質が気づかれていないことにあると思う。 

1人、2人で事業を興すとき、誰しも「共通の熱い思い、目的、使命」を抱きながら、わくわくしながら事を始めるに違いない。

しかし事業拡大に伴い、30名、100名、500名、1000名と社員や関係者が増えてくると・・・人数の総和以上の成果が上がらなくなる。

それは、理性と知恵と意思を持った「人間」が共通の目的に向かって一致団結して成果を上げるパワーが必然的に鈍ってくるからだ。(もちろん成果がゼロではないが、鈍ってくるということ)

・ 部署ごとのセクショナリズム
・ 個人的な好き嫌いの感情
・ 情報が行き届かない
・ 採用方針、育成方針のまずさ
・ 大きくなった組織を率いるだけのマネジメント能力の欠如

目に見える理由はいろいろある。
ただ、目に見える現象に対処療法で「コーチング研修を入れよう」「情報システムを入れ替えよう」「新しい人事/採用システムを導入しよう」「戦略理論の研修を入れよう」とやっても、実は大きな成果は上がらない。

もちろん部分的な対応が無意味だとは言わない。しかし、 本当に会社を良くしたいのであれば、全社、部署、チームでの「共通の目的」について「人間同士が」本音で思いをぶつけ、共通点を探って行くことの方がよほど大事だろう。それを目的としたコーチングや研修であれば大いに価値はある。

それは、そもそも企業が「共通の目的のもとに集まった人間の集合体」であり、魅力的で崇高な目的の共有こそが人間本来の潜在能力を無限に引き出して経営を成功させるという原理原則があるからだ。

この点、やはりドラッカーの経営学は核心をついている。
有名な、経営者へのドラッカーの問い
「あなたがたの事業とは一体何か」
「顧客とは誰なのか」
「顧客が価値とするものは何なのか」
は、会社の「外」にある本来の目的、目指すものに強く意識を向けさせる事からスタートする。
情報システムも、研修も、理論フレームワークも全てそれを実現するための「手段」に過ぎない。

実際、「これまでの組織で皆さんが一番働きがい、やりがいを感じたのはどんな組織?」と聞くと、ほぼ100%の方が「共通の目標を共有して、お互いにサポートし合いながら、個々の強みを発揮していた組織(会社、部署、クラブ、ボランティアなど)」と答えられる。

皆、「良い組織とは、良い経営とは」という本質は理解している。しかし、対応策になるといきなり「各論」に入りすぎることが日本人の特徴かもしれない。

経営革新や組織変革を考える経営者やリーダーの方には、是非この「失いつつある目的」をどうすれば再度、共有し直すことができるのか」という視点で議論を進めてほしい。派手ではない。しかし、そうすることでかならず組織が強くなる。 

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