この本は、「良い上司」になりたい人、「部下にいきいきと働いてもらいたい」と思っている人には、必読だと思う。
自分が住む横浜市の林市長の本。
「部下を『お客さま』だと思えば9割の仕事はうまくいく」
言わずと知れた、「車のセールスレディー」のほぼ第一号としてキャリアを積み重ね、BMW等の社長を歴任、再生企業の社長も経験後、横浜市長になった人物。
市長としての技量はこの本だけでは分からないけれど、彼女の強みが
「人、チーム、組織をいきいきと動かして、成果をあげる」
という技能にあることが分かる。
そして、それは「マネジメント」の本質的定義そのものでもある。
下記、著書の冒頭のメッセージからの抜粋。
「『俺は会議と数字達成で忙しいのに、あいつは電話さえとらない』
『最近の若い人は根性がない。『私はできません』って、受身すぎる!』
あなたの部下や後輩への不満、すごくよくわかります。
しかし、そのプライドと愚痴のせいで、一番大切な『成果』が減っていませんか?
(中略)
相手を自分の所有物みたいにコントロールしようとするのを今日からやめてみてください。
気づいたら数字が上がる、チームがまとまる。
そんな奇跡が、必ず起こりますから。」
(「部下を『お客さま』だと思えば9割の仕事はうまくいく」林文子著 より)
マネジメント論の視点で言えば、これは「奇跡」ではなく「必然」。
タイトルも含め、イマイチ微妙な表現もあるけれど、それを補って余りある本だと思う。
(ただし、これは著者の経験した「具体事例」を集めている本。理論的裏付けは当然ここには書かれていませんが。)
上記の記述で「成果」に焦点をあてていることなど、マネジメントの原則そのもの。
企業で部下を持つ人は是非読んでみてほしい。
社員や部下は「機械」ではなく「人間」。
その「人間」を躍動させるために何が大切か、その具体的な考え方を教えてくれる本です。
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