昨日のブログでも書きましたが、昨日は「サロン」にて、チーム内での信頼感や、コミュニケーションというテーマを扱いました。
そのサロンの冒頭で、下記の言葉を紹介しました。
「組織はもはや権力(force) によって成立しない。信頼(trust)によって成立する。」(ドラッカー「明日を支配するもの」より)
事業環境、経済状況、情報技術、労働者の価値観など、いろいろな条件の変化から、組織というものが権力や力によって運営されるものではなくなりました。どの組織でも実感していると思います。
そこで、昨日議論になったのが、
「では、メンバー間の『信頼』はどのように培われるのか?」
ということ。
「一流のスキルを持った仲間同士が集まっても、なぜかチーム内に「信頼」が生まれずに空中分解してしまった」
ある参加者が投げかけてくれた経験談から、全員が深く考えることができました。
そして、別の参加者がこう発言してくれました。
「例えば、あるオーケストラは、全員がソリストとしてもやれる技能を持った人が集まっている。でも、なぜ彼/彼女らは、それでも1つになれるのか。それは、『ハーモニーを奏でる』ことに『美意識』を持っているからではないか。」
多くの参加者が、この考えに共感しました。
オーケストラをチームとしてつなぎとめるもの。それは、「プロの技術」だけではなく「ハーモニーを奏でる」ことへの美意識。自分の技量を最大に引き出し、且つまわりの仲間から音を引き出し、その音にさらに自分の音をあわせていく。そのようなあり方を「美しい」「正しい」と思える感覚。
仕事でもスポーツでも、あてはまります。どんなに優れた選手や社員を集めても、「ハーモニー」へのコミットメントがなければ崩壊する。
そのハーモニーを引き出すのが、当たり前のようですが、真の意味での「コミュニケーション」(意思疎通)なのかもしれません。
自分一人が発したい事を出すのではなく、同じ目的を持った者同士として、受け手のことを深く配慮しながら伝え合い、関わり合う。少なくともそうあろうと努力する。それがコミュニケーションの本当の意味です。
「コミュニケーションは、私からあなたへ伝達するものではない。それは、われわれのなかの1人から、われわれのなかのもう1人へ伝達するものである。」 (ドラッカー 「マネジメント」より)
昨日のサロンで扱ったもう一つの言葉。この言葉の本質を、参加者の皆さんの議論が気付かせてくれました。
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