私は、今、母校(上智大学)の体育会サッカー部の監督をしている。
と言っても、一般に想像されるようなフルタイム契約では当然ない(平日は、仕事がありますので)。
週末の試合や練習、平日の一部時間を使っての練習や幹部学年とのミーティングなどを通じて、「チームが強くなるとはどういうことか」を学生と一緒にひたすら考える。
まさに、チームマネジメントの修行をさせてもらっているようなものかもしれない。
私自身、学生時代にサッカー部で様々なことを学んだ。
副将としてチームをまとめるために苦慮したこと。プレーヤーとして壁にぶつかり、屈辱感を味わい、それを乗り越えようともがいたこと。全て、社会に出てからもものすごく活きている。「組織のマネジメント」という自分の今の専門テーマに興味を持たせてれたきっかけも、体育会サッカー部での経験があったから。
仕事の組織も、学生スポーツチームも、チームが強くなる基本原則は変わらない。
① 共通の「目標」「絵」を持つ事
② 自己規律を土台に運営されること
③ 個々人の強みが目的と自己規律の中で最大に発揮されること
この3つを完璧に近い形まで研ぎすませばチームは必ず強くなる。
絶対に間違いない。
そこに至る迄に、いろんな「ノイズ」が発生する。
「あいつがやる気がなくて・・」
「話し合っても共通の結論が出なくて・・」
ノイズより、まず原則に目を向けること。
1つ目の「共通の絵」。これが特に大切。
当たり前のことだが、11人がピッチ上で「共通の絵、パターン、目指す形」を持っているのと、
個々人が(たとえ上手くても)バラバラに動くのとでは、前者のチームの方が圧倒的に強い。
なぜか?
それは人間組織にとって最強の特性とも言える、「連動」が生まれるから。
仕事でも、スポーツでも、連動する組織は強い。
人の集団が、お互いの次のアクションを予測しながら、慮りながら、先読みして動くスピード感。そこから生まれる一体感と充実感。
これが、共通の目的と絵を持っているチームの強さ。サッカーであれば、仮に技術で若干劣る選手たちでも、3名が連動したらよほど屈強な守備者でも対応できない。
学生には、この原則を口を酸っぱく伝えている。
うるさいと思われているかもしれない。
でも、各論を気にする前に、「共通の絵、イメージ」を持てるように努めること。
そうすることで、プレーの質も結果も格段に違ってくる事に気づいて欲しい。
それが、卒業してからも確たる軸になるはずだから。
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