ソニーの「愉快なる理想工場」は、日本人の希望#557

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ソニーを応援する1人として、今朝の日経のこの記事は興味深い。  
ソニーがめざした「愉快なる理想工場」と、そこから次々と生まれるヒット商品は、まさに日本人に夢と希望を与えて世界から注目された。

当時、「ソニー村」と呼ばれた品川区の御殿山地区には、技術者や学生が引き寄せられたという。いまのアメリカのシリコンバレーを彷彿とさせる。
ソニーに中途入社し、後にノーベル物理学賞を受賞した江崎玲於奈氏もその1人。江崎さんは、こんな言葉を残した。

「トランジスタの使い道はもっぱら国防分野や企業向けの情報処理と考えられていたが、井深さんと盛田さんは民生用のラジオに使った。それが2人の創造性だ」

新規技術の発明者でなくても、視点を少し変えるだけで大きなイノベーションが生まれる。まさに、当時のソニーはそのお手本。

その後、90年代に、グローバル資本主義の波が加速し、ソニーも過度に株主利益に重きを置く経営管理スタイルに移行し、それがソニー衰退を招いたとも言われる。当時の経営者である出井さんが槍玉にあがる論調も多いが、当時の時代趨勢を考えれば間違った判断とも私には思えない。

ただいずれにせよ、金融市場や株主利益に重きを置きすぎるスタイルが社員の創造性や自由闊達な議論を封じ込めやすいのは事実。それは、ドラッカーも再三強調していた。

当記事の文末に、警鐘として、米ハーバード大のクリステンセン教授のこんな言葉が紹介されている。

「イノベーションの敵はファイナンスである」

この言葉は非常に深く、本質をついている。

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