「『リーダー』と『マネジャー』の違いとは何ですか?」
コンサルティングや人財トレーニングの現場で、よくこんな質問を受けます。
よくある「分け方」は、「リーダーは新しいことを開拓し、マネジャーは既存のものを管理する」といった定義ですね。
こんな定義はそもそも意味がないですし、実態を表していません。
私は、一貫して、「リーダーとマネジャーの違いを突き詰めることはあまり意味がない」と思っている派です。
学者さん達は、それらの言葉の違いを研究対象にしたりしていますが、現場ではその差を明確にすることにあまり意味がないと思うからです。
たとえば、ある部長さんというマネジャーが、
「これは今までトライしたことのない試みだから、リーダーに相談してみよう」
などということは許されないはずです。
これだけ変化の激しい時代には、マネジャーも「未知の領域」に関する意思決定に向き合わなければいけません。
どの会社もそうだと思います。
この「マネジメント」という機能全般の中に、「リーダーシップ」が包含されているという考え方は、ドラッカーの考え方や、ジム・コリンズ(「ビジョナリー・カンパニー」著者)の考え方の影響を受けています。
ところが、最近、あらためてある本を読んでいて、「なるほど」と思う定義にも出会いました。
人間の強みや創造性の研究で名高い「ギャラップ・オーガニゼーション」で長くアナリストをつとめた、マーカス・バッキンガム(すごい名前です)著、
「最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたった一つのこと」
に出てくる、以下の定義です。
バッキンガム氏はドラッカーなどの考え方に一定の理解を示しながら、マネジャーとリーダーに以下のような定義付けをしています。
「マネジャーは、部下一人ひとりの特色を発見し、それを有効に活用する」
「リーダーは、より良い未来に向けて人々を一致団結させる」
(マネジャーとは逆に、普遍的・共通的な事を発見して、それを活用する)
というのがその定義。
なかなかクリアで分かりやすい。
もちろん、マネジャーとリーダーの要素を両方1人で持ち合わせている場合もあるはずですが、確かにこの2点は「視点」が違う気もします。
そして、組織やチームのマネジメントには確かに、この2つのタイプの機能が存在しなければいけない気がしますね。
勉強になりました。
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