トマ・ピケティの「21世紀の資本」 #294

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昨日は、みなとみらいランドマークの本屋へ息子と。
「妖怪ウォッチ」の本が必要だと説得にくる息子を軽く無視し、経済・社会関連のコーナーへ。
最近、経営学の書棚より、経済、社会、人間というテーマの本棚の方が関心あります。

目に止まったのが、フランス人の経済学者トマ・ピケティ氏の「21世紀の資本」という本。母国フランスだけでなく、アメリカでも飛ぶように売れて在庫切れが連続したという。ポール・クルーグマンやラリー・サマーズも推薦しています。

しかし、高い。
なんと、一冊6000円近い。

これは、すぐにポン、と買うようなものでもなさそうと、まずは電子書籍の入門的な特集を購入。東洋経済にちょうどよい特集号があったので。

東洋

ピケティの主張を一言で集約すると、

「資本主義では歴史的に、所得分配の格差が拡大する傾向があり、それは今後も続くだろう」

ということらしいです。

ピケティいわく、「近年に多くの先進国で出現している極端な貧富の格差は全て、資本主義が内包する根本的な矛盾に端を発している」とのこと。そして、「このままでは格差はのっぴきならない状態にまで再拡大する」という陰鬱な未来も予想しています。

アメリカでは特にその「格差」が実感されているから、この本が売れていると言われます。レーガン政権時代以降、いわゆる誰でも、出身や家柄の違いに関係なく、出世できるという「アメリカンドリーム」の希望は失われていると。格差がどんどん拡大し、下流や中流階級に生まれた米国の子供が出世できる可能性は随分低まったといわれます。ピケティの指摘では、過去10〜20年の間で、米国国内の上位1%の富裕層が実質個人所得の増加分の殆どを手にしているとのことです。

自分でふと考えてみました。
はたして、日本では、自分の身の回りで本当に「格差」が拡大しているのか?と。特にそんな感じはしないのですが・・。しかし、これは、自分が生きているのが「現在」だから、なかなか分からないのかもしれません。

たしかに、以前の産業・政治界では、「家が貧しくて中学も出ることができなかった」という人が立身出世で一国や大企業のリーダーになることがありましたね。

しかし、現代社会ではそういうことはあまりないです。ネットベンチャーやゲーム会社など様々な新興企業も、億万長者も生まれています。金融の会社で大もうけしている人もいます。新しい政治家としてのリーダーも生まれています。しかし、いずれも大学(しかも一流の)を出ている人が多い。ということは、ある程度豊かな家の出身であるとも言えますね。

こういうことが格差社会の一端なのか?

そんなことを考えながら、ピケティの資本論、本格的に読み解きたいと思いました。

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