日本の経済は本当に先細りなのか

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昨晩9時のNHKニュースは野田首相を迎え、日本の将来について活発に意見交換していました。
キャスターの質問や議論の持って行き方もよく、また首相も分かりやすく、誠実に、哲学を持って語りかけている雰囲気が好印象でした。もちろん、個々の議論には賛否両論ありますが。
少なくとも、国会の無駄な口論よりはよほど生産的な議論に思いました。

■1990年には、9人の現役世代が1人の高齢者を支える「胴上げ型」

■ 現在は、3~4名で1人を支える「騎馬戦型」

■ 約40年後は、1人で1人を支える「肩車型」に

だから、税と社会保障の話を現役世代も真剣に考えなければいけないという議論。さらに首相は「かつてのように中間層が分厚く豊かに、明日に希望を持って生きられる日本へ。そのために社会保障の改革が待ったなし。」と語ります。そこは大枠では同意です。

しかし、社会保障だけでは分厚い中間層は復活しません。これは、もう絶対に無理だと思います。上記の人口構造からも、追いつかない。

では、何が大事か。
「創造的なマネジメント」をする人材が1人でも多く生まれてくることです。

経済の「パイ自体」を根本的に大きくできるのは、企業や組織の大小拘らず、マネジメントの力だけです。新しい市場機会を洞察し、資源を投入して、顧客に価値を買ってもらい、収益を上げ、社会や人に還元する。この健全なサイクルが数多く高速にまわることで、経済のパイが大きくなります。

製造業が早くに衰退したアメリカでは、インテルやマイクロソフト、グーグルなど多くのメガベンチャーが生まれ、雇用の受け皿になり、社会を豊かにする原動力になりました。ITだけでなく、教育も、エンターテイメントも新しいサービスが数多く生まれていますし、また今後は電気自動車やエコなどでも成長ベンチャーが目白押しです。

別に華やかなベンチャーでなくてもよいです。商店でも、主婦が2、3人で経営するお花屋さんでも。大企業の一営業部門のマネジメントでもよい。どんなに小さい組織でも、マネジメントの発想一つで新しい雇用や収入を生み、経済のパイを大きくできる。そういう発想をもう一度日本人が取り戻すことが必要と思います。

学生も、現役世代も「労働生産人口が・・」「円高だから・・」と制約思考が多いのが気になります。新しい事業を興すのに大人数が必要だった時代は過去のもの。これからは知恵とネットワーク(日本、世界)で優れた事業を生み出して行くことが可能な時代。
僕は日本は「事業立国」だと常々思っています。資源立国でも、金融立国でもない。だから、「創造的なマネジメント」というテーマを探求し、コンサルティングし、講義し、自らもプロデュース・実践しようと奮闘しています。
戦後「無」の状態から世界第二の経済を築いたのは、ビジョン豊かで、勤勉で、高い倫理意識を持つ企業家たちでした。

「もう一度、日本を新しい形の事業立国に!」

日本にはその潜在能力が十分にあると思います。

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