5月16日は、私の母校クレアモント大学院大学ドラッカースクールより、ジョー・マチャレロ教授を招いての特別講演会@東京日比谷が開催されました。
マチャレロ教授は、1960年代、ニューヨーク大学在学中にドラッカー教授と出会い、彼を追い西海岸のクレアモント大学までやってきて、以来仕事のパートナーとして数十年、共にマネジメント教材の開発や学生への講義を行ってこられました。僕が講義を受けた教授の中でも、最も印象に残っている素敵な先生の一人です。
卒業してもう8年になりますが、久々に教授の講義を聞いて、「なぜ自分がマネジメントという分野に深い関心を持ったか」を思い出し、新鮮な気持ちになりました。
マネジメントは企業内で事業や業務を管理する為の「単なるツール」ではないですね。
今、経済界でも盛んに「リベアルアーツ教育」の見直しが叫ばれています。
ドラッカーは、数十年前から、「マネジメントとはリベアルアーツ(一般教養)である」と断言していました。
すなわち、利益の最大化、効率性の追求だけでは解決できない課題が「マネジメントの現場」には山ほどあると。
残念ながら、多くの企業や事業がこの鉄則を忘れ、「管理」としてのマネジメント機能だけを追求し、社員のモチベーションをそいだり、イノベーションが生まれにくい硬直的な組織を生んでしまったりしていますね。
「そもそも人間とはどういう存在で、どんな欲求を持つか」
「社会で今起きている変化のトレンドとは」
「イノベーションが起こりうる、市場の変化や機会とは」
「歴史的な趨勢からみた市場の動向は」
「人の価値観や倫理意識とはどのように仕事に生かされるか」
この辺りが今日の事業経営で大きなポイントになる点かと思います。
事業で利益も上げ、成長しないといけない一方で、限られた資源やエネルギーを極力使いすぎないようにしないといけない。
このようなジレンマに苦しむ難題は、やはりリベアルアーツ的な視点で本質に踏み込んだ議論をしないと解決しません。
そこで、マチャレロ教授が書いた著書が「Druker’s Lost Art of Management」(「ドラッカーのリベラルアーツとしてのマネジメントは失われたか」)という著書。
日本語版ももうじき出版される予定です。
組織、事業、人、お金のマネジメントで悩む現場のリーダーの皆さんにとってすごく役立つ本だと思います。
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