企業の人事の方とお話ししていると、「成長」という言葉がよく出てきます。
そもそも、「人の成長」ってどういうことでしょう。
これは、何故か自分も、明快な答えがすぐに出てきません。
ちなみに、以前、「会社の成長戦略」という言葉が使われていた現場で、「会社が成長するってどういうことでしょう」という問いを出したら、沈黙してしまいました。
会社が成長するというのは、業績が伸びる、社員が増える、というのもそうですが、様々な質的成長も伴ってのことです。ここはまたおいおい書くとして。
さて、「職業人の成長とは何か」です。
今、自分が思いつくキーワードを並べて書いてみます。
・自分の勝負するフィールドにおいて、より市場価値の高い知識とスキルを修得すること(以前よりも高い報酬を受け取れるようになっていること)
⇒フィールドを決める事も、条件に入りますね。
・より多くの人を良い方向に導けるようになっていること(より多くの人に良い影響を与えるようになっていること)
・より高い質の「結果」を、より多く出していること
・自分のためではなく、広く他者のメリットの為に貢献できるようになること
・判断、選択、意思決定の質が向上すること(より社会的に、人間的に正しい目的に向かえるようになること)
・時間の使い方の質が高まること など
人により「成長」の定義は様々かもしれません。
ちなみに、ドラッカーは、その著書「プロフェッショナルの条件」の中で、自分の葛藤と成長の奇跡を通じて、以下の7つの「成長の為の方法」を見いだしたと書いています。エピソードや背景は割愛しているので、興味ある方は本を読んでみてください。
① 「目標とビジョン」を強く持つ。何歳になっても、「さらに良いものを創る」情熱を持ち続ける。
② 人がみていなくても、重要な「細部」の仕事にまでこだわりを持つ
③ 一時に一つのテーマを集中して徹底的に学ぶことを、継続していく
④ 自身の仕事ぶりのふりかえりを、しっかりと時間をとって行なう
⑤ 何か意思決定し、新たに始める時には、数ヶ月後に得たい成果を明記しておいて、結果と比較する(ふりかえることで、自分の強みが何か、理解する)
⑥ 新しい仕事に向かうときは、新しい仕事が何を求めるかを熟考する。これまでの仕事のやり方に依存しない
⑦「自分は何によっておぼえられたいか」を自分に問い、その時々で答えを出す。時期/年齢よって答えは異なってよい。自分も含め、人をより素晴らしい人に変えて行く事は、間違いなく人に覚えられるに値する大切なことである。
ドラッカーも、30代初頭まで、自分が何をすべきかが見えていなかったといいます。しかし、常にアンテナをはって、成功した人の話を聞き、そこから重要なメッセージを見いだし、そのことを徹底して肝に銘じて来ました。
そうすることで、大きな仕事をなしとげ、世界中のリーダーに良い影響をあたえてきたのです。
改めて、「成長」についてドラッカーの言葉にヒントをもらえた気がします。
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