高齢社という会社をご存知ですか。
私は、何年か前に「カンブリア宮殿」でその存在を知り、興味をもちました。
昨日、事務局を務めている「ソーシャル・ビジネス・プラットフォーム」の経営者朝会プレゼンテーションにて、同社の幸山社長にお話しいただきました。ユーモアあふれるプレゼンに、終始笑いが絶えない場でした。
同社は、その名のとおり高齢者の方に専門特化した人材派遣・職業紹介・請負事業の会社です。
①「楽しく、無理のない範囲で、まだまだ元気に働きたい」高齢者
②「即戦力のスキル、社員のサポート役、繁忙期や土日などに柔軟に対応いただける人材が欲しい」一般企業
の双方のニーズに「事業機会」を見いだして、2000年に設立。
創業者の上田研二氏が62歳のときに立ち上げられました。
現在、年商は5億円超、15人の本社スタッフと700人以上の登録社員で事業が運営されています。
■ 「きょういく(今日行く場所)」「きょうよう(今日、やる用事)」があることの幸せを実感できる
■ 無理なく、楽しく、ワークシェアリングしながら働ける
■ 頼られる喜び、期待される嬉しさ、ささやかでも奉仕の仕事がある
■ 年金だけでなく、自分に収入がある
などの、シニアの「喜び」「幸福」がこの事業の根幹にあります。
何より、「人にとってそもそも仕事とは、働くとはどんな素晴らしい意義があるか」を教えてくれる会社です。
「一度聞いたら忘れない社名」を考えられたとのこと。
確かに、絶対忘れない名前ですよね。このセンスも、本当に素晴らしい。
子育て世代はできれば敬遠したい土日の勤務も、高齢者の方であれば比較的すんなり(人によっては喜んで)受けていただきやすいとのこと。この辺りの「ちょっとしたギャップ」を埋めるビジネスとしても、非常によくできた仕組みですね。
もちろん、シニアだけでなく、若い人も「就労困難」な時代です。
「シニアに若者が仕事をとられてしまうのでは?」という懸念もあるようです。
けれど、やはり若者の方が得意で行いやすい仕事と、高齢者の方が向いている仕事、それぞれあると思います。高齢社が提供しているのは後者の仕事がほとんどです。
若者の就労機会増に向けては、それはそれで、いろいろな別の施策が生まれ始めています。
可能性に制約を与えるよりも、全体のパイをどんどん伸ばして行くことが大事だと思います。
この「高齢社」の、社会と顧客のニーズをしっかり捉えた、地に足のしっかりついた事業モデル。
他の企業が見習える点も多い気がします。
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