最近、こんな記事が話題になりました。
↓
「米ザッポスが手厚い退職金、社員の14%去る」
http://jp.wsj.com/articles/SB10164193758919163512104580628120469158044
ザッポスは、知る人ぞ知る、アメリカのオンライン小売企業。
事業的にも成功していますが、その先進的なマネジメント思想がたびたび話題になります。
この記事の中で、こんな記述があります。
「全社員1500人の約14%に当たる210人が退職を決断したという。今回の大量退職は、同社が『ホラクラシー』と呼ばれる新しい管理体制に移行するタイミングで発生した。ホラクラシーでは従来の上司や役職が存在せず、従業員は実質的に自分で自分を管理することになる。」
そう、この記事のポイントは、退職金がどうこうではありません。成長企業が新しいマネジメントスタイルに移行しようとしていること、それこそが要点です。
この「ホラクラシー」は、耳慣れない言葉ですが、Wikipedia によると、ホラクラシーとは、「従来のようにトップダウンのヒエラルキーによって意思決定がなされるのではなく、組織全体に権限を分散させ意思決定させることで、自走する組織を保つための社会技術または組織のガバナンス・マネジメント方法」と定義されているそうです。
詳しく書かれている方のブログがありましたので、こちらを参考にしてください。
↓
「組織の新しいカタチ 『Holacracy』 」
(Kazumichi Sakata 氏ブログ)
ホラクラシー自体の定義はまだまだわかりにくいですが、要するに、
・従来型の管理・統制型組織はもはや限界
・個々人が、自分自身で考え、発案し、行動することが強く求められる時代に
・マネジャーは管理するのではなく、障害を取り除き、可能性を広げてあげる役割がますます大切に
・中央集権型から、自律分散型のマネジメントへ
・既成組織よりも、プロジェクトやチーム型で動く形がますます主流に
ということだと私は解釈しています。
情報化・多様化・多元化・グローバル化が加速して、ますます変化が激しくなる時代には、ホラクラシーのような組織体系に移行せざるをえません。
そのために、人間個々人や小プロジェクト・小チームの活動、いわゆる「ホットグループ」(ミッションと情熱を共有した、小規模のグループ)の躍動が不可欠になります。上司や役職者に管理される状態から、自分たちで創造的に仕事を動かしていく状態へのシフトですね。
いよいよ、先進企業がこの形態に移行しはじめているということは、大企業経営のあり方も大きく見直されてくるかもしれません。
日本企業も、その良い面を残し、いかに旧態依然とした管理・統制システムから脱却していけるか。
非常に楽しみになってきました。注目していきます。
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