おそらく、自分の息子が就職する15〜20年後は「企業」社会の姿は様変わりするはず。
自分の息子が、今のいわゆる「大手人気企業」の説明会に、紺色のリクルートスーツを着て参加して、面談ブースで面接の順番を待っている姿は想像できない。もしそうなっていたら、相当マズい気さえする(苦笑)。まあ、うちの息子は独自キャラが強いので、頼んでもそうならない気がするのだが。
前回の記事に書いたような、「働き方」「ビジネスのしかた」が抜本的に変わる中で、どのような能力を我々は磨いておくべきなのだろうか。そんなことをこの数日じっくり考えている。
ちなみに、よく話をするのだが、シリコンバレーに面白い小学校がある。
Waldorf School of the Peninsula という学校。
http://waldorfpeninsula.org
グーグルやマイクロソフトなど、IT先進企業で働くエンジニアの子供が多く通う学校である。
面白いのは、その学校では、基本、「ITツールは使わせない」ということ。
ノートや鉛筆、書籍という「旧い」学習ツールを未だにフル活用し、子供達の「創造性」を高める教育を徹底している。
驚くべきことに、ハイテク企業につとめる親のほとんどが、「ITは中学や高校など、ある程度成長してからでも十分間に合うもの」と考えているらしい。
幼少期であればあるほど、
・子供同士で外で思いっきり遊ぶ
・対面でのコミュニケーションをする
・けんかをし、そして仲直りをする
・本を読む
・文章を考え、書く
・絵を描く、何かを作る
といった「人としての基本的な能力」のようなものを身につけさせたいと思っているようだ。
15〜20年前であれば、幼少期からガンガンITに触れさせることが優先された。しかし、ITという技術自体からは新たなものは生まれない時代に移りつつある。ITは何か大きなイメージや価値を実現するための「ツール」に過ぎない。そういうことが認識され始めた。
スティーブジョブズの成功に代表されるように、ITツールにする前の
「ビジョン」
「デザイン」
「イメージ」
といったものがとりわけ重要になる時代になっている。ある意味、それは当たり前なのかもしれないが。
ちなみに、そのジョブズも、「自分の子供にiPadなどは使わせない」と言っていたらしいから面白い。
前置きが長くなったが、未来に主流となる新しい働き方を身につけるためには、
・自分自身が実現させたいビジョンやイメージを思い描く力
・それを、ストーリーとして表現し、共感を得る力
・デザイン的センスや感性
・幅広い分野の知性や教養
・人々を巻き込んで一緒にプロジェクトをする力(上司、部下の関係ではなく、パートナーの関係として)
・世界中の人と議論できる語学力(特に英語)
・ITや最新のテクノロジーについても理解する力(開発者である必要はないが、技術を理解する)
・多様な人々を束ね、共通の目的に向かって協働させるマネジメント力
が必要になってくる。
もちろん、子供達だけでなく、我々のような現役世代も、これからもっともっとそれを意識して、仕事のスタイルとマインドを革新していかなければ。
変化は確実に起きているのだから。
この記事へのコメントはありません。