現在、読んでいるのはこの本。
「銃・病原菌・鉄」の著者で、生物学・人類生態学の権威、ジャレド・ダイアモンド、「二重らせん」構造を解明したワトソン、「普遍文法」を提唱し言語学に革命をもたらしたノーム・チョムスキー、神経学・精神医学で最先端の研究を続けるオリバー・サックス……など、限りなく真実を追い求め、学問の常識を逆転した叡智6人。彼らはいま、人類の未来をどう予見しているのか? をまとめた一冊。
細かく書けば、いろいろな気づきやインスピレーション、そしてまた疑問もあるのですが、
ここでは、「教育」についての、ノーム・チョムスキー氏の印象的なコメントを抜き出します。
「理想とする教育とは、子供たちが持っている創造性(Creativity)と創作力(Inventiveness)をのばし、自由社会で機能する市民となって、仕事や人生においても創造的で創作的であり、独立した存在になるように手助けすることです。こういう教育だけが、進んだ経済というものを生みだすことができる。」
(知の逆転 第二章 「帝国主義の終わり—ノーム・チョムスキー」より)
さらに、同氏はこう続けます。
「MITのような世界的に優れたエンジニアリングとサイエンスの大学では、授業に出てノートをとり、それを試験で再確認するようなことは一切期待されていない。むしろ、たとえば教授の言っていることに見事に挑戦できること、あるいは、他の人たちと協力して独自の創造的な仕事をすることが期待されている。本当に重大な仕事は、たいてい他の人との協力の下に行なわれるからです。
最近亡くなった世界的に有名な物理の教授は、一年生がとる物理のクラスを教えていたのですが、学生に『今学期はどんな内容をカバーするのですか』と聞かれて、『何をカバーするかは問題じゃない、重要なのは君らが何をディスカバーするかだ』と答えたんですね。これが教育の理想です。人々を訓練して労働者にすることはできる。しかしそれでは企業にとって短期の利益は得られても、人間の発展や経済の発展につながっていかない。」
(同上)
読んでいて、いろいろ考えさせられました。
「創造性」(Creativity)と「創作力(Inventiveness)」の大切さ。
家庭での教育、学校での教育、企業での教育、そしてもちろん自分自身の教育投資のあり方・・。
豊かな未来を創って行く上で、どのような教育が必要か。
大切なヒントをくれている気がします。
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