優れたマネジメント人材とはどういう人なのか

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今週は、複数の会社で「人材育成」についてのご提案が続きました。

私の場合、特に「マネジメント」や「組織のリーダー」、

いわゆるキーマンたちの人材育成をどのように行うのがよいか?

というご相談をいただき、育成、教育のための「場」をご提案しています。

その中で、どの会社にも共通する、ある象徴的なやりとりがありました。

 

人事責任者:「マネジメント層の育成、これが経営陣から昨今頻繁に言われているテーマです。」

私:「なるほど。マネジメントの育成ってなんでしょうか?」

人事責任者:「ん?マネジメント力を高めてもらう、ということですよね。。」

私:「言い方を変えますと、『ああ、この人はマネジメントとして育ったなあ』というのは、どういう時に実感されるのでしょうか」

人事責任者:「なるほど、、それは正直あまり考えていませんでした(苦笑)。
とにかく、育成機会を増やさなければ、との思いばかり先走ってしまい。。」

私:「どの会社さんもそうです。でも、優れたマネジメントを育成するには、ゴールイメージが必要ですよね」

 

こういう会話、よくあります。

「マネジメントできる人を育成しなければ」

と言いながら、

「どういう人材がマネジメントとして優れていると言えるのか」

は明確ではない、ということです。
まずここを定義しなければ、育成はスタートしません。

もちろん、超細かい評価指標のようなものはあるかもしれません。

「ビジョン策定力」
「戦略構想力」
「コミュニケーション」
「指導力」
「業務効率化能力」

などなど。。細かすぎてよくわからないし、

「こんなの全部できる人、いないでしょ」という感じです。

 

大事なことは、「要は、どんな人が優れたマネジメントなのか?」です。

僕は、ここでも、ドラッカーの言葉に大きなヒントをもらいました。

マネジャーとしての資質を見極める時には、まずはいつもこの観点から

見るようにしています。

 

ドラッカーは、こう言っています。

 

「Management Legitimacy? That is to make human strength productive.」
(どんな人が良いマネジメントか?定義が一つあるとすれば、
それは、「人の強みを生産的にできる人」だ。」

 

以上!という感じにシンプルです。

要するに、部下やメンバー、場合によっては上司も含めて、

自分が関わる人たちの強みを見つけて、

その強みを生産的なアウトプットにつなげることができる人がいれば、
その人は間違いなく、優れたマネジメント人材だということです。

モチベーションや動機付けなど、こまかな理屈を持ち出すまでもなく、
自分の強みを引き出してくれる上司ならば、だれでもやる気が高まります。

 

心理学的にも、「自分の強みを職場でいかせている時間」が長いと答えている人ほど、
仕事のやりがいを感じるという研究結果が出ています。

その強みを生産的な仕事に活用させてくれるマネジャーこそが最高です。

「この社員は、こういう強みをもっている。この資質を、この仕事で、このように
生かせたら、こんな成果につながるのでは」

という意識を常にもっていて、そういう舞台を創り提供しようとしている。そういうマネジャーと一緒に働く人はみな、仕事にやりがいを感じてモチベーションも高い。さらに、事業の成果(売上や利益だけでなく、顧客満足や評判の向上も含め)にもつながる「生産的な」仕事にチームとして取り組めている。

これこそ、まさにマネジメントの育成が目指す像です。

 

–人の強みを引き出す能力
–その強みを事業成果に生産的につなげる力

これらがマネジメント教育テーマの大元です。

マネジメントを育成する上で、まずは「目指すゴール」を明確にすること。

これこそが大事だと思うのです。

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