金曜日晩〜土曜日と某有名企業の労働組合の執行部メンバー向け合宿に参加させていただきました。
「システム思考」という考え方に関する講義/ワークショップをし、
また、合宿プログラム全体に関するアドバイスやコメントも行うという役割。
組合の執行部に所属するような人達は、優秀で前向き、そして他の人の為にもすすんで自分の時間を使い、貢献しようとする姿勢を持っていますね。
いろいろな議論をしましたが、一本貫かれた大きなテーマは、
「これからの(組合メンバーとしての)自分たちの役割と貢献とは何だろうか?」
ということ。
時代が変わり、「組合」という組織も変化しています。
高度経済成長期から現在までは、端的に言えば、
「賃金や待遇の改善」を目的に、
「経営者/雇用主」と議論し、提案し、場合によっては争う
ことが組合の貢献でした。
しかし、これから20年、30年先を見越した組合とはどうでしょう。
何を求め、誰に向かっていく存在なのでしょう。
組合の根本的な定義は、おそらく
「権力を持つものに対して何かを求める為に、権力を持たない者同士が連携して目的を達成する為の集団」
だと思います。
では、今の社員が最も求めているのが賃金や待遇でしょうか。
幸か不幸か、そうではありません。
多くの心理学調査が示しているように、今の社員は、お金・待遇と同等もしくはそれ以上に「やりがい」「働きがい」を求めています。
そうなると、組合が活動する目的は、「働きやすく、やりがいを持てる職場環境」かもしれません。
さらにややこしいのは、それを直訴する相手が誰なのかといこと。
もちろん、経営層はその一つかもしれません。
しかし、突き詰めて行くと、働きがい・やりがいを実現するのは、上層部ではなく、
自分のまわりの同僚であったり、あるいは自分たち自身だったりすることに気付きます。
したがい、新しい組合が「対話し、理解し合う相手」は経営層だけでなく、まぎれもなく自分たち自身ということにもなります。
全ての組織やチームには存在意義があります。
そして、その仕事とエネルギーは、貢献すべき対象に向けられていくべきです。
組合執行部の合宿に参加しながら、組合メンバーの皆さんがなぜ、誰の為にその仕事をするのか、じっくり考えることができました。
感謝。
この記事へのコメントはありません。