昨日は、慶應大学システムデザインマネジメント研究科(SDM)の「未来型経営論」に参加。
荻野淳也さんが講座をコーディネートしてくださっています。
昨日の講師は、株式会社エー・ピーカンパニー執行役員人財開発本部長の井上貴之さん。
講演タイトルは、「いい会社を創る人財開発」でした。
しかし、このエー・ピーカンパニーってすごい会社ですね。
「塚田農場」「四十八漁場」を中心にチェーン居酒屋/食堂を180店舗近く展開。創業11年の2012年にマザーズ上場、2014年に東証一部へ。
売上も驚異的に伸びています。
良質の食材を「生産者直結」で顧客に届ける斬新なビジネスモデル。
低価格で美味しい料理を食べられるお店が急速にファンを増やしています。
まあ、話を聞けば聞くほど、いわば「究極に破天荒な外食ベンチャー企業」という感じ。
しかし一方で、「(事業家)人財を育てる」為に創業時から多大な投資と、様々なチャレンジをされている会社です。
井上さんいわく、エー・ピーカンパニーのマネジメントスタイルの特徴は、
・ 「徹底的に自分の頭で考えないと生きていけない」
・ 「良くも悪くも、任せたら、全てを任せきる」
ということ。
井上さんご自身も、新業態開発から、(なぜか)ミュージカルの企画まで、無理難題のようなプロジェクトテーマを与えられ、その度に大変な想いをしながらも、必死に結果を出す中で充実感を感じて仕事ができるようになったと言います。
そんな井上さんの本業のミッションは、人財開発。破天荒に見える同社が、徹底的に、真摯に、
「人が本当に成長するとは」
「人が幸福に働ける環境とは」
を掘り下げているということが、印象的でした。
全部を書ききれませんが、昨日出た印象的なキーワード。
・「与え過ぎは、(人から)奪うことと同義」
・「フロー」
・「内発的動機を引き出す」
・「教えない教育」
・「『今』を充実、充足させないと人は変われない」
・「マインドフルネス」
・「大自然経営」
・「極力、ルールをなくす」
また、
・「数字を見ない」(「見過ぎない」ということかと)
・「笑いのないつまらない会議はしない」
・「やりたいものが出てくるまで待つ」
・「リーダーの『べき』思考をどこまで捨てられるか」
という同社の人財開発の考え方も非常に興味深かったです。
いずれも、大多数の「会社」のマネジメントスタイルとは正反対。
というか、多くの会社が「そうあるべき」と思っても実践できていないことを、エーピーカンパニーは「ひたすら実践しようとしている」ということのようです。
講演を聞きながら思った事があります。
それは、仕事を通じて人が成長していく条件について。
私なりに解釈すると、下記かなと思います。
【仕事を通じて人が成長していく条件(藤田案)】
1.まず、リーダーの発するとてつもなく大きな、魅力的なビジョンがある(リーダーも本心からそう思っている)
2.社員が「ストレッチ」せざるをえない、仕事(実務)上の役割、期待、ミッションがある
3.社員の側にも大きな挑戦を「やってみたい」と思えるマインド、組織風土がある
4.全ての仕事がモチベーションと自発性を前提にして取り組まれている
(「いやいや」「受身」でやっても、結果的には成功も成長もしないことが組織内で理解されている)
井上さんの話も、最後はやはり「人とは何か」「人の心理とは」「人のモチベーションとは」という内容が中心でした。
組織は機械ではなく、人間の集団なので、当然そこにたどり着きますね。
「破天荒な」外食ベンチャー企業が、極めて「まっとうな」人財開発を教えてくれた気がします。
荻野さん、井上さん、ありがとうございました。
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