昨日は、慶応大学の前野隆司教授とお話しをさせていただきました。
前野先生は、慶応大学大学院のSystem Design Management (SDM)研究科委員長。
このSDMは、非常に面白い教育を提供しています。
一言で言えば、「徹底的に学際的(学問分野をまたいでいる)」ということ。
たとえば、経営の問題も、今や経済学や経営学の枠の中だけで解決できません。
人間心理、社会構造、政治状況、経済、文化・・など、様々な要因を見ていかないとなかなか解決できなくなっています。
会社以外のテーマも同様です。
ITを作るにも、都市を設計するにも、「多様なアプローチ」「多方面の知」が求められています。
SDMは「システムデザインマネジメント」という考え方を用いて、これらの複雑に絡み合った課題に、統合的な視点で解決策を見いだせる人材を育成しています。
(以下、SDMホームページより抜粋)
「システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科は、まさに、複雑に絡み合った大規模・複雑な諸問題を、全体統合的な視点から解決するために設立された、世界随一の大学院です。ここには、科学技術から国際問題にわたる、あらゆる大規模・複雑システムの問題を解決するための新しい全体統合型学問体系があります。そして、自分を変え、日本を変え、世界を変えたいという、高い志を持つ者の連携があります。他のすべての大学院と違って、多様なバックグラウンドを持つ学生、教員、研究者が、文系・理系や年齢・国籍の壁を超え、新しいシステムのデザインに挑んでいます。」
私自身、企業や組織のことを中心的に扱ってきていますが、最近は「人間」「心理」「社会」といったことまで関心が広がっています。
広い視座の中から、新しい「統合的な」解決策が生まれるような気がするのです。
実際、前野教授の経歴も多彩そのもの。
元々はロボットの研究をされ、その後、脳科学、哲学、幸福学、感動学、共感学、イノベーション教育などまで広くその探求エリアを広げておられます。
しかし、昨日お話しさせていただき、最後はやはり「人間の幸福」に強い関心をおもちだということがよくわかりました。
ドラッカーもそうですが、時代を牽引して変えていく人は、いわゆる「専門特化」した人よりも「多様な視座、知恵、教養」を持って、そこから何か新しい方法論を創っていく人なのだな、とあらためて思いました。
先生の書かれた書籍も、工学、心理学、脳科学、哲学・・とさまざまな切り口から分析されていて、とても面白いです。おすすめです。
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