先週末、こんな残念なことが起きた。
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「ラグビーが負けた日」完売なのに空席 協会大失態
世界で大奮闘したラグビー日本代表。
その盛り上がりを引き継ぎ、日本のラグビートップリーグが華々しく「超満員」で開幕するはず・・・だったのですが、蓋を開けてみれば、昨年の開幕戦よりも少ない、半数以上が空席の状態。チケットは完売で、当日券を求める人も入れなかったにもかかわらず。。
その理由は、あろうことか、協会が「企業に配布したチケット分からの来場者数の大幅な読み違い」により、約半数の空席ができてしまったというもの。
ありえない。本当にありえない。
家族との時間を犠牲にして鍛錬を続け、ワールドカップで戦ってきた現場の選手やスタッフがいる。
彼らの願いはただ一つだった。2019年のワールドカップ日本開催に向けて、国内のラグビー人気が盛り上がって欲しい。
ラグビーや日本のスポーツの未来のために戦い、そしてその目的にかなう結果を出した。
そして、開幕戦で超満員の会場が「新しいラグビー文化の象徴」になるはずだった・・。
その開幕戦で、協会側がこの大失態。
自分は、このニュースを見て、マネジメントのトレーニングでよく使う、このたとえ話を思い出した。
レンガ職人に、通りかかった人が「何をしているのか」と聞いたところ、以下の3通りの答えが返ってきた。
1人目 「生活のために、レンガを積んで生計を得ています」
2人目 「一流のレンガ職人になるために、日々こうして腕を磨いています」
3人目 「多くの人々が笑顔で集まれるような、素敵な教会を建てています」
協会の職員は、「1人目」あるいは「2人目」の意識で仕事をしていたのではないか。
いつもどおり、決まったとおり、チケットをさばく。企業側に割り当てる。効率的に仕事をこなす。
では、なぜ当然必要な「最終的な来場者の確認」を怠ったのだろうか。
それは、「3人目の視点」が欠けていたからではないか。
その視点とは、すなわち、
「この開幕戦を満員にして、ラグビーの選手やファンたちと一緒に、新しい日本ラグビーの歴史をスタートさせるのだ」
というありありとしたビジョンや、イメージ。
それが明確であれば、来場者数が気になってしかたないはず。
これでもか、というくらい確認するはずではないか。
それができないのは、現場が無能だからか?
違うと思う。全て、「マネジメント」の責任。
そういうビジョンを共有できていないことが、マネジメントとしての第一の仕事をわかっていないということ。
協会理事がいうように「プロ意識が欠けていた」「マーケティングをやりなおす」というレベルではない深刻な事態。
ラグビー界を発展していくために、組織とマネジメントの大変革しなければいけない。