ドラッカー経営学との出会い

20代後半、外資系コンサルティング会社やIT系ベンチャー企業で
充実した日々を送っていた中でも、私の中で一貫してくすぶっていた「問い」があります。

それは、

「良い組織、良い経営とはいったい何だろうか」

です。

IT、人事、財務・会計、営業・マーケティング手法 ・・・などなど

経営には様々な「方法論」があります。
コンサルティング会社もシステム開発会社も、これらのツールを開発し、販売します。

セールストークの中には、

「経営革新」「マネジメント革新」「マーケティング革新」

といった言葉が踊ります。

忙しい日々の中で、私はさらに自問していました。

「良い事業、良い組織、良いマネジメント、良い経営とは一体何か?」

このいわば「目的」が明確にならなければ、どのような方法論を集めても本当に望ましい成果は上がらないのではないか。そう思っていたのです。

たとえば、好調に利益を稼ぎ出している組織でも、人が主体的に生き生きと働けておらず、人材が育っていない職場はあります。また、受注量は増えても、無理な営業が横行し、顧客からの信頼や評価は逆に下がっているという場合もあります。

そういった、一般の「成果指標(数字)」だけでは定義しにくいのが、マネジメントです。だからこそ、企業や部署のリーダーが「良い組織、良いマネジメントとは何か」について熟考し、自らの考えを持っていなければ組織は成長していきません。

そんなことを考えていた際に、書店でピーター・ドラッカーの著書に出会いました。その裏表紙にはこのように書かれていました。

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「いかに余儀なく見えようとも、またいかに風潮に
なっていようとも、基本と原則に反するものは例外なく時を経ず破綻する」(ドラッカー 「マネジメント」より)

それまで名前を聞いた事があった程度のこの経営学者の言葉、
特に「基本と原則」という言葉に、私は強い関心をひかれました。
自分がずっと探求している「良き経営、良きマネジメント」の原則と定義に関するヒントがここにあるかもしれないと感じたのです。

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このドラッカーが創設し、長年教鞭をとり、またその思想と理念が反映された小さな経営大学院が米カリフォルニア州クレアモントにあると知り、私は留学を決めました。約7年間の実務経験を経て、30歳直前での留学でした。仕事も辞め、まさにゼロからの挑戦。

ドラッカー・スクール一校に絞って提出した約5ページの出願エッセイは、拙い英語で、「理想とする事業体/組織を創り上げる為には、一体何が必要なのか」という言葉で始まっています。

ドラッカー・スクール (カリフォルニア州クレアモント)

目的意識が明確なため、経営大学院での2年間は、懸命に学びました。単純に経営学の知識を身につけるだけでなく、マネジメントそのものの本質と個々の手法や理論がどうつながっているのか、自分が納得できるまで探求しました。クラスメイトや教授陣と遅く迄議論したことも度々ありました。

ドラッカーの提唱した「マネジメント」の本質と原則が経営学の各教科に反映されたドラッカー・スクール。このスクールで学び、素晴らしい仲間や教授ととことん語り合えたことは自分にとって大きな財産です。

(晩年のドラッカー教授と、ドラッカー・スクールにて 2003)

卒業後10年以上たった現在、多くの企業の経営戦略やマネジメントに関わる機会をいただいています。それぞれのビジネスモデルや商売の形は様々でも、「マネジメント」が目指すもの、理想の姿は大きく変わりません。ドラッカー理論という大きな「灯台」は、現在も未来も自分の支えになっています。

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